こんにちは!
自然とつながる木の建築を設計している杉本です。
明りは、住まいの表情や内部空間を、
より魅力的に見せてくれる効果があります。
大切なことは、住まいの形や雰囲気に調和する照明器具の選定です。
今回は、21_21 DESIGN SIGHTで開催されていた、
企画展「The Original」とともに、照明の魅力をご紹介します。
※順次更新予定
◆企画展「The Original」のみどころ◆
今回の企画展において、一番のみどころは、展覧会の歴史背景として、産業革命後の世界、
それによって始まったプロダクトデザインと伝統からの変遷です。
建築にもモノにも、必ず原点があり、それは「The Original」の主題でもありました。
21_21 DESIGN SIGHTの創立者は三宅一生であり、「一枚の布」が基本理念で活動されています。
展覧会の舞台となった21_21 DESIGN SIGHTは、世界的建築家の安藤忠雄氏。
建築も、一枚の布を織ったような形態を主旨としており、建築と展示と意味が見事に三位一体となっているものでした。
一枚の布を伝うかのように、一筆書きの動線でエントランスから展示空間へと導かれていきます。
◆「The Original」の照明◆
あかり 55FF+BB3 | イサム・ノグチ | オゼキ
20世紀を代表する彫刻家、イサム・ノグチ。
日本人の父とアメリカ人の母を持ち、アイデンティティの葛藤のなかで
彼の作品に重要な示唆を与え続けたのが、日本の伝統や文化の諸相でした。
もともと 明り という言葉は、太陽や月の光を部屋に入れようという意味からうまれました。
彼が名をつけた照明、あかり(AKARI)は、自然光に近い光で、和紙を透かして光を分散させ、部屋全体に柔らかい光を流します。
あまりにも近代化し、機械化した現代人にとって、自然光は憧れであり、
そして同時に影の無い彫刻でもありました。
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陰翳 ミノムシ | 三宅一生 | アルテミデ
文豪、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」で描かれているように、
日本は古来より陰影の濃淡や、限定的な光ゆえに生まれる美を
空間に現してきました。
デザイナーは21_21 DESIGN SIGHTの創立者でもある、三宅一生。
障子のような透け感をもつ不織布のシェード、折り紙のような構造からは、
伝統に範を得た新しい照明です。
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ランパス | 佐々文夫 | ヤマギワ
曲線も用い方ひとつで、照明の印象は大きく変化します。
ランパスの曲線は、日本建築に通底する比率や、空間の広がりを考慮したものです。
ガラスを白としたのは、日本伝統建築の多くが白を基調とすることから。
明りそのものも一様でなく、根元からグラデーションで光が広がります。
◆住まいのデザイン:和モダンとは?◆
住まいのデザインにおいて和モダンというと、
日本の伝統建築を原点とした次のような特徴があります。
・柱や梁、垂木など構造材を見せる
・木板や障子、畳など伝統的な素材を使用する
・ディテールが伝統的な建築に見られるものである
こうした要素をつかむことで、住まいに調和しやすい
照明が浮かび上がってきます。
「紅葉丘の家」に採用している照明の仕様は、下記のとおりです。
※品番や欠品については最新の情報をご確認ください。
照明は、家族団らんの中心となる食卓や、力強い木組みをより魅力的に見せてくれます。
調光式のダウンやスポットであれば、季節や天候、好みに合わせて
色みや照度を調整することができて便利です。
照明はきちんと考えておけば、住み始めたあとでも取り入れることができます。
現代ではラインナップも豊富なため、予算に応じた選択も可能となりました。
大切なことは、建築空間と調和する明りの選択です。
明りの灯った住まいが美しいと思えるような、
街ゆく方々にとってほっとするような、
そんな環境を明りでもつくっていけたら、と思います。
最後までご覧いただきありがとうございます。
ご感想やご質問などあればお気軽にメッセージいただければと思います。
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